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暗黒の中の水先案内人ー蛾(ガ)のイメージの香り

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 今年に入って、香りを勉強している方を見渡すと、急にイメージが暗黒面に支配されてしまっている方が目に付くようになりました。

 去年も、度々強く深い暗黒面が、香りのイマジネーションの中で出てきていましたが、これほど頻繁にはっきり出てくるようなことは無かったように思います。今年は、なかなか大変な時代ではないかと思うようになりました。

 とても順調に進んでいた方も、突如として戸惑ってしまう方もいますし、どうすることも出来なくなって、香りそのものから離れてしまう方も僅かに出てきました。

 暗黒に負けない、吸い込まれないようにするには、自分の心の扉を今以上に、少しずつ広げていくことですが、それによってさらに、心の強さを要求されることになるかもしれません。

 この勉強会をやる前から、感じていたことですが、現代人の多くが、心を閉ざしてしまうことを良いとしていて、周囲の誰かがふと以前よりも硬く閉ざすようになっても、周りで気づく人は殆どいなくなっている、無関心になっているのが現状です。

 先月、鹿児島に行って感じたのですが、北海道や沖縄など日本の端にいるかたたちは、そういう心を閉ざすことから無縁の方も多く居ますが、都心を中心にして一度でも、人に対して深い不信感を持った人は、どれだけ社交的にみえても、決して心を開くことがないような人も多く居ます。

 僕の父親も、騙すよりも騙されろとよく言っていましたから、僕自身も今までの人生の中で、人に裏切られたりいましたが、それによって少しでも心を閉ざしたこともありましたが、ろくなことはありませんでした。

 マスコミでは、連日のように先行きが見えないとか、真っ暗だと言っていますが、それはむしろそういった心を閉ざしたことから起こっていることであって、心を閉ざす人が世の中に増えれば、増えるほど暗黒面は強く深いものになっていくと思います。

 香りにもし力があるとしたら、この閉ざした心を少しでも開いていくことが出来るということではないかと思っています。現に香りを勉強している方たちは、蝶人の会で初めてあった人でも、何故か心を開いていくことが出来るようです。

 心を開くというのは、言い換えると愛する力なのかもしrませんが、今こそ今まで以上にその愛する力が必要なときではないかと思っています。

 ビジネスチャンスなどと、この場に及んで未だにさもしい人もいますが、如何に心を開いていくことが出来るかに焦点をあてていけば、自ずと生まれてくる仕事は幾らでもあると思っています。

 蛾は、暗闇で飛び交い、冬の寒い日でも移動をすることがあるそうです。今まで、自分の中の美的感覚でなかなか蛾を愛でることは出来ませんでしたが、こういう時代こそ蛾のようなイメージや存在が必要なのではないかと思っています。

 ご存知の通り、蝶人の会には、紋白蝶派やアゲハチョウ派など、香りのつくり方や個性に応じて様々な流派が生まれていますが、この中に蛾の流派も加えるべきではないかと思うようになりました。

 蛾の流派は、この前の日記にも書いたとおり、人の欠点や世の中の悪い面からイメージをつくり始めるものですが、内面の力強さはどの流派にも負けないものなので、今後の勉強会でも役に立てていきたいと思っています。

 真っ暗になっても、何時までも飛び続ける心を持つことが、作り手としては大切なのかもしれません。
by fenice2 | 2009-02-07 01:15 | 調香・錬金術
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