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恋に似合う香りが消えていくー引き裂かれた男と女

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 調香の指導をしていてつくづく感じることは、どうしてこうまで男性と女性は相容れない世界をつくってしまったのかということです。このことは、まさに現代の男女のあり方のあらゆる現象を説明できる背景になっているような気がします。

 去年ですが、或る外資系ホテルに招かれて、恋人同士の香りをつくる企画に参加しましたが、僕自身とても面白味をもって参加したのですが、その結果はあまりにふがいないものになってしまって、がっかりしたことを覚えています。

 今香りの勉強をされているかたも、圧倒的に女性ですが、女性は香りで色々な世界をつくっていくのが好きなのに、対して男性は一つの世界を頑なに守って、その世界をイメージするものしか作り出そうとはしません。

 勿論、程度はあるのですが、この辺りが今の現代の男性と女性が立っている感性の世界が如何に違っているものかがよくわかります。市販では、様々な香水や香料が出ているのに対して、そういう感性はみたいなものは、益々閉じていっているのではないでしょうか。

 もっとも、男性専用の香水が出来たなどというのは、数千年の香りの歴史の中でほんの最近の数十年のことであるし、香りというものほど、性や年齢をこえて意識する世界は他にはなかったのだと思っています。

 男性香料が出来てから、男はある狭い部屋の中に押し込まれていって、花の香りを好きになることや香りそのものに華やかさを求めることさえタブーになっていきましたが、これは社会そのものがそういう閉鎖的なものになっていくことと平行に起こってきた現象なのかもしれません。

 社会や組織の中で、男性の匂いというのが段々限定されていって、そういう区別みたいなものの感覚から、今の禁煙ブームにまで繋がって言ったのではないかとも思っています。

 同じ匂いのするモノ同士を、群れにしていって、企業はその活動のスピードを早めていきましたが、出来るだけ短時間のうちに信頼し、手を結んでいかなくてはならないので、そういう浅く意味も無い、匂いや香りの世界が出来上がってきてしまったのではないでしょうか。

 僕自身は、ミラノにいたときはその場所の匂いや香りを愛していきましたが、それでも随分なれるのに時間がかかるものや場所などがあったように思います。

 飲食店の系列店しかり、ホテルでも日本の何処で泊まっても同じ様式のものがありますが、あれほど地域や風土を疎かにしたものが在るだろうかとも考えてしまいます。

 グローバルを香りで表すなら、きわめて薄く、粗悪なケミカルの香料のイメージが沸きます。そういう香りの背景の中で、果たして人は本当に幸福を感じたり、深い人間関係を築くことが出来るのでしょうか。

 単なる香料の問題でなく、愛情や恋でさえもそういった目に見えない背景に色濃く影響されてきます。幸福になるのは、幸福になるだけの匂いや香りが必要です。

 本当に心から許せる仲間や身内をつくっていったり、何か困ったことを真剣に考えてくれる人間関係をつくっていかなければ、そういう匂いや香りは出てくることはないのかもしれません。

 麗しい香りを持つことは大切なことですが、心の幸福を持っていない人は、まるでその香りが一時の夢か空想の中だけで終わってしまいます。

 
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by fenice2 | 2009-03-02 01:31 | アロマ 香り
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