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夢をつくる仕事

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 以前、或る特殊な仕事をしていた時に、東京の赤坂の高層ホテル缶詰状態になりましたが、半月ほど泊まって、ずっと外の光景をみていたことがあります。

 朝起きると、ベッドで朝食を取りますから、まさに出勤もありませんし外の喧騒も感じません。雨が降ろうが、曇りになろうが、室温は一定を保っていますから、まるで無菌室にいれられたような状況です。

 僕の仕事は想像することが仕事でした。如何に新しい夢のような世界を表現できるかにありましたが、一日中夢とはなんだろうと考えていると、気づくと空ばかり眺めるようになっていました。

 僕は、若い頃に色々苦労が続いたとき、ふと今自分にある夢というのは、何処からか与えられたものではないかと気づいたことがあります。僕には、不思議と次々に新しいアイデアや技法みたいなものが浮かんできましたが、それらは自分で生み出したものとはいえなかったようです。

 与えられた夢やそのイメージが果たしてよいものか、どうか色々考えてみました。しかし、結論としては与えられた夢は、自分には相応しくないだろうと感じるようになりました。

 何故僕がそんなに与えられることになったのかわかりません。世の中の人はこれを運が良いとか、幸運とか呼ぶのでしょうが、僕にとってはなんとも苦痛でした。

 ふと下をみると、今度は人が蟻のようになって、スクランブル交差点を渡っています。毎日、毎日それをまるで鳥のような気分になって眺めていると、同じ時間に同じような人の波が出来て、そしてそれが繰り返し、繰り返し浮かんでは消え、消えては浮かんできました。

 人は、みんな与えられたもののために、生きて、与えられたものをずっと大切にして生きているのかなと漠然と感じましたが、それならば一体誰が生み出すのだろうと心配になってきました。

 今までの社会や世の中は、僅か数人の人間の想像力で動かされた時期があると思います。想像した人たちは素晴らしいと思いますが、それでも所詮人が生んだ世界です。

 少しぐらい歪んでいても、不細工な形をしていても自分で生み出すことが本当はもっと大切なことではないでしょうか。創造力や、想像そのものが選ばれた人にしかあたえられた権限とは思いません。

 深い絶望や心に傷があると、想像したものがやがて社会と対立するものを生み出すこともあります。

 テロや、アフリカの紛争はまさに悲劇です。僕も含めて日本人の多くは、その人たちの苦しみを理解することは難しいと思います。

 しかし、僕たちは自然に生活していても、そういう人たちの叫びや苦しみは、体の感覚の中のどこかに受けているのだと思います。僕は、香りをつくると何時も苦痛の叫びを感じます。人によってはそれを大きく受けている人もいますし、そうでもない人もいますが、受けていることには違いないです。

 不景気で不安定な世の中ですが、そういった叫びや苦しみを感じるのは良い時代だと思っています。一人一人がそれを自覚することによって、理屈まみれの生活から抜け出すことが出来るように思います。

 優しくなるには、心の強さも大切だと思います。意味不明でも、心の辛さを感じることができた人は実は幸せなのかもしれません。

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by fenice2 | 2010-01-28 19:31 | 愛 愛情
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