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感性という名の感覚の畑ー新しい作品をつくってみて

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 僕は、最近のこの異様な天候もあって自分の感覚の中ではいったい何を生み出そうとしているのか、それなりに疑問で不安でした。僕の周囲の人も、大体感覚が狂わされている人も多くて、香りをつくることも出来ないようになっている人も多いです。

 最初に選んだものは、木の根のものや濃いグリーン系のものばかりでした。何故か、花や柑橘系を選ぶことはなかったようです。自分でもやはり、かなり感覚がおかしくなってしまったのかもしれないと思ったりしました。

 香りは、トップからラストまで静かな流れをつくることをよしとします。幾ら、柑橘系が好きといっても、そればかり入れてしまうとこの流れが悪くなってしまいます。流れが悪くなると、心地よさを感じられなくなるので、その香りに対して気持ちにむらが出来てしまいます。

 市販の香水は、人の感覚でも、如何にそれに強く刺激するのかという調香ですから、何処か偏ったところが多く、美しい流れを作り出しているものは少ないように思います。香りが、どんどんそういった商品化されていることは悲しいことです。

 焼け付くような太陽からのがれるように、人の感覚も土深く暗いところに向かっていって、実は、そちらのほうの感覚がむしろ鋭くなっているような気がします。葉や、花や果物に匂いや香りにさえも意識を向けていられなくなった嗅覚は、もっと深い部分で目覚めていったのかもしれません。

 これほど、ディープな香りばかりを組み合わせることは普段は、まず無いように思います。せめてローズぐらいは入れようと思いましたが、それさえも新しい作品は拒んだように思います。

 ガルバナム、松、苔、バイオレットリーフ、ビャクダン、パチョリなどどれでも重い香りで、本来ならば僅かにしか入れないものですが、とても分量を多く加えていきました。流石にトップには、レモン、ゼラニウムなどの柑橘も加えましたが、それら個性の強い香料を受け止めるものにはなりません。

 強い日差しに晒され、干からびて何も育つことが出来ないと思っていた感性の中の畑にも、実は驚くほどの新しい感覚が自分にも身についているのを発見して驚きました。

 また、今まで不可能だと思っていた組み合わせでも、そこに新しいものが出来上がったので、なんとも不思議な感覚でした。新しい感覚は、間違いなくこういう気候の中でも育っていて、それらを注意深く集めれば、新しい感性が生まれてきています。

 この重く、暗いものに対して鋭敏になった感覚は、やがて新しい文化や文明を生み出すようになると思います。この猛暑が終わってから、世の中の仕組みは劇的に変わっていくような気がしています。古くて単におぞましいものは、徹底的に嫌われ、過去や歴史に対して今でにない深い眼差しが注がれるだろうと思います。

 歴史的な新たな発見が多くなり、そこから新しいものが生まれる大きな力がわいてくるような気がします。単にはったりであったのか、本当に価値があったのかなんだったのかわかってくるような気がします。

 この厄というものをテーマにして、実に多くのことを理解出来たような気がします。この作品に対して、益々自信がついていきました。これは、世の中に出していく価値があるものだと、自負しています。小さな瓶に分けて、出来るだけ低価格で出したいと思っています。


 

 
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by fenice2 | 2010-09-08 11:30 | アロマ 香り
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