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詩仙堂の香りー動乱した世の中に出来ること

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 昨日の夕方から、異様な大地が燃える映像が流れましたが、それがすぐに戦争だと分かるには時間はかかりませんでした。嗅覚の人間の僕は、ここからとても異様な匂いが立ち込めていることがよく分かりました。単なる山火事とは違い、戦争がもたらした大地の響きは、人の心を歪めてしまう何か強い力を持っています。

 NYのテロのあと、もう数ヶ月してから崩壊跡地を訪ねましたが、そこの漂うなんとも異様な匂いにめまいがしそうだったのをよく覚えています。実際に、匂いは殆どないはずなのに何故かいたたまれなくなるほどでした。

 僕自身、調香をやっていて未だによくわからないところがありますが、混ぜ合わせていくうちに何が不思議な恍惚感にあたるときもありますし、逆に弟子の指導をしていて、とんでもない不快感をもつこともあります。同じ香料をつかって、似たような分量でつくっても良いものが出来るときと、そうでないものが出来ることがあります。

 レシピとかチャートとか、組み合わせについては色々いわれていますが、そういう数字にはっきり出来る部分とそうでない部分が人の気持ちや心から、揺らぎのようなものが出ていてそれがモノをつくることに深く関係しているのかもしれません。

 生活の中では、そういった揺らぎを感じるものが少なくなって、機械がつくる食べ物や衣服に触れていくうちに大事な感覚を失っていくような気もします。慌てて、なんとかスピリチャルみたいなところにいって、鍛えようとしても難しいのではと思います。

 そういった、揺らぎみたいなものを感じられなくなると人は、繊細な喜びや楽しさが分からなくなりますから、何か大きな衝撃や出来事に好奇心をもっていくことになると思います。
 
 今の時代は、危ない面もありますが、日本人はとくにそういった揺らぎに敏感になっている民族だと思います。大きな負の誘惑があっても、そういった揺らぎに敏感であれば、もっと繊細で豊かな文化を生み出していくように思います。

 益々、世の中には香りが必要です。無臭だけの生活では何も生み出さないです。愛し合い、慈しむ、それらの世界に香りは欠かせないです。

 

 
 
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by fenice2 | 2010-11-24 13:43 | アロマ 香り
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