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今年一年の香りー命名 玉藻(たまも)



 去年もお蔭様で、のべ人数で約400人ほどの方の香りを作らさせて頂きました。今まではその半分も満たなかったので、やはり去年はイベントなども増えたせいでより多くの方に調香の良さを知って頂いたんだな思い、感謝しております。

 多くの方の香りの好みは、様々ですがそこからどういうものを好んでおられて、どういうものを避けているのかがよくわかります。そこからなんとなくですが、今後の世の中の流れみたいなものを予想できそうな気がして、今年も椿大社に遅い初詣をすましてから、作品に取り掛かりました。

 前回も書いたとおり、ローズが生かされなかったことが多かったせいか、稀なことですが、ローズのベースですら入れることはありませんでした。自分ではもっと穏やかな香りが出来ると思っていたのですが、調香してみると意外なほど少し鋭い感じがする香りになっていました。

 西洋マツやネロリが、とても深く絡み合っているような感じがして、なんともその尖ったトップが、世の中の人の心の中に突き刺さっていきそうでした。今回は、作る前から不穏な気持ちが少しありましたが、この香りをつくって聞いていくうちにとても穏やかな気持ちになりました。

 香りを聞いて、万葉集などに何度か出てくる玉藻(たまも)というイメージが浮かびました。玉藻は水コケが丸まったものらしいのですが、はっきりしたことはわからず、なんとも不思議な様子を自然が表しときにその言葉が使われたようです。

 また玉藻前(たまものまえ)という名前の平安末期の絶世の美女が居たそうですが、その正体は九尾の狐らしくて、一時期国中を騒がしたことがあったそうですが、玉藻という言葉には、なんとも意味深のものもあるのかもしれません。

 松が多く含まれる香りは、どちらかというともう少し落ち着きがあるのですが、何度も浮いたり沈んだりしながら、心をゆるがせていくようで確かになんとも不可思議な気持ちにさせますが、それも次第に落ち着いてくると、ゆったりした気持ちを起こさせるようです。

 いろいろ揺らぎながら、不安的な動きをみせながら、やがては落ち着いていく、しかしそこには幻想やミステリアスな雰囲気も時には漂いますが、どうやらそのまま時の流れに任せたほうが良いという香りのメッセージもあるような気がします。

 今年は、もしかしたらおさまるものがおさまる年なのかもしれません。幸福になる人も残念ながら不幸に陥ってしまう人も、その長いそれまでの時間の中で決められたことが粛々と変化していくだけなのでしょう。

 玉藻はそういった世の中の揺らぎを緩和させ落ち着いた心に導いてくれると思います。香りをご希望される方は、メールにしてお知らせ頂けたら思います。

 
by fenice2 | 2011-01-06 15:39 | アロマ 香り
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