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香りに出来ることー若者の健全な心や気持ちを保つ

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 今年は、自分に課しているテーマは多いのですが、やはり出来るだけ若い方に良い香りを届けたいというのが本音です。イタリアも、僕が行き始めた15年ほど前は、まだエネルギーがある国でしたが、今は年配の方が多くなったせいもあって、何か重苦しいものも感じるようになりました。

 数値だけみると、EUの中でも若い層と年配の層がイタリアはかなりアンバランスで、一人の若者が抱える比率が大きくなっているようです。そういう意味では日本も似ているのかもしれません。

 萎縮された若者は、どんどん行動範囲が狭くなって、考え方や嗜好も偏ったものになりがちです。それで、何か問題があるとどうしても、一人で悩んでしまい自分で自分の可能性もつぶしてしまうことも多いと思います。また、社会も若者を守るほうにはなっておらず、自分の地位がいつ失うか分からない組織の中では、むしろ蹴落としているような光景もあるようです。

 香りに対して、本当はもっとも関心があって、積極的なのは若年層の世代であって、また使用頻度もほかの世代の人間に比べればぜんぜん違うと思います。企業からは、確かにたくさんの香水が売られていますが、しかし値段の割には中身がとてもチープなものも多いです。

 今の日本が、どこかギクシャクしていて生きづらいのは、僕の世代のような30代、40代の中間層がそういった世の中の中で自分のやるべきことを失っているからだと思っています。団塊の世代が、良い緩衝材のような役割になっていたかといえば、そうでもないのかもしれませんが、今よりはましだったのかもしれません。

 死を感じ始めた年配者たちが、必ずしも余裕があるとは言えば、むしろ子供のように戻って我侭に過ごしがちのような気もします。子供のために我慢していた生活からも離れ、今は出来るだけ謳歌しようとしている人も多いです。若い人のために何か社会のために、働きかけている人は稀です。

 三島由紀夫は、年をとるとなかなか美しく生きづらいと言いましたが、日本の軍部も最期は、特攻などで多くの若者の命を奪って、自分はのうのうと生き残ろうとした人も多かったように思います。いつも、犠牲になるのは、社会では弱い者や若者です。

 また、僕の年齢からみると、今の若者はとても社会や人に怯え、疑心暗鬼になっている人も多いように思います。たまたま、こちらから手を差し伸べようとしても悪魔の手のように思われてしまうこともよくあることです。香水事業で、若者向けのものを僕もいくつか作りましたが、ほとんどうまくいきませんでした。

 香料会社から、色々話を聞いても、モニターや市場調査のやり方にはとても大きな疑問があります。また、以前のようにいい加減な調査でつくった香水にのってしまうほど今の若者は甘くはないと思います。

 僕は、一人一人の香水をつくっているので、自然と自分の中で独自のデーターが集まっています。自分が作りたい香りと、作らないといけない香りは、似ているようでかなり違いますが、今年はそういった今の社会を意識した香りももっとつくっていこうと思っています。

 レモンなどを中心にしたシンプルな柑橘系のトップで、ミモザや松などを使った深みはあまり無いけれども、誰が聞いてもすっきりしたものが良いのではないでしょうか。何かやったらまだよく分かりませんが、出来るところから発信したいと思っています。

 
by fenice2 | 2011-02-01 22:37 | 調香・錬金術
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