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心に映る香り

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 最初にこの仕事をやった時に、特にフェアリーに意識して香りをつくることを始めました。その時によく見たのがこのイラストです。結構有名な方のものでご存知の方も多いと思いますが、やはり花と妖精というものは無くてはならない関係のような気もします。

 その時、紹介された女性の方で香りに興味はあったのですがどうしても心が開くことが無い方がいました。香りは、人の心を和ませたり、開いたりさせるものだと信じていた僕にとっては少しショックでした。

 何度依頼されてつくっても、一応の笑顔は見せるのですが、心からよいと思われたことは無いようにも感じました。勿論、色々な心の傷みたいなものはあったと思いますが、香りが癒してくれると単純に思っていたのが未熟でした。

 暫くして、自分ではかなり技術面があがったと思って、お会いする機会がありましたが、今度こそと思い、前より随分手間も時間もかけて、香りをつくりました。カウンセリングや会話はかなり深いところまでいったと思っていたのですが、彼女が満足のいくものは出来なかったようです。

 彼女は、子供の頃から繊細で心が脆い面があって、度々体調を崩したり、学校や仕事を長期に休んだこともあったようです。しかし、或る仕事に就いてからは、明るくなって、新しく結婚することなどもお聞きしたりしました。

 一つ一つの香りを選ぶには理由があって、それがあるイメージに繋がるということは前にも書きましたが、そのイメージが何かの拍子でふっと変わることがあります。そういう意味では非常に掴みにくい方でしたが、中東の産地のガルバナムという香りにだけは不思議な興味を示していました。

 それは、僕が最初に好きになった香りでしたが、使い方も難しく、また殆ど人が選ばない香料であったので、何時もおそるおそる使っていたというのが本音のところでした。それだからこそ、余計にイメージも曖昧なものになっていたのかもしれません。

 香りの世界が精神世界を映すものなら、天使やフェアリーもあるなら、デーモンや悪魔もあるはずでした。悪魔というのが大げさならば、表に出したくない部分といったら適当でしょうか。しかし、闇の部分ということにかけては同じ意味なのかもしれません。

 彼女の香りに映った心の世界は、そのデーモンが大きな影響をあらわしていました。そこに心の苦悩や闇みたいな部分があったのだと思います。しかし、僕はそのことをあまり意識をせずに出来のよい香りとイメージをつくってしまった為に、うまくいかなかったのだと思っています。

 性格の明るい部分や、才能の長所みたいなものしか、香りが表現できないとしたら、心や精神世界からは、かなり遠い存在のものになってしまいます。今考えても、その方は十分心を開いて訴えていたにも関わらず、僕がガルバナムに思い切ったイメージをもてなかった為に、心のデーモンを理解することが出来なかったのかもしれません。

 香りの世界では、デーモンと無理して戦う必要はないです。他の香り(天使やフェアリー)で出来るだけうまく付き合っていくしかないのだと思います。そういう意味ではカウンセリングや将来の方針を尋ねられても、単に性格を変えるなどと安易なことは殆ど言いませんし、デーモンを抜くような香りもつくりません。

 一つ一つの香りは、単なる香りに違いがありません。しかし、心を映していったとき初めて何かを訴えだしたり、表現したりしていきます。ローズも或る人にとっては、優しい母親のような存在の香りでも、或る人にとっては、御高くトゲトゲしい印象にうつることもあります。
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by fenice2 | 2007-10-26 21:41 | アロマ 香り
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