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つくられる幸福とうまれてくる幸福

セリア・リーズ著の「魔女の血を引く娘」を読んでいますが、色々と気づかされることも多く、途中ですが前々から疑問に思っていたことが、少し解りかけたような気もしていました。

 三島由紀夫が、戦後は自由な精神が阻害され、豚小屋の家畜のような育ち方をした人が増える、というような言い方をしていましたが、僕はそれがどういう意味かわからないまま、(学生の頃に間接的に彼の弟子のような存在であったために、)そのまま受け止めていました。

 その後、自分自身が思いっきり金融世界に立ち入ることになりましたが、自分の経験も含めてなるほどと納得したことが多くありました。

 人には内と外、つまり、お金儲けなど社会的な成功に向かう幸福と、本来の心の満足、友情や愛情などを求める幸福があると思いますが、それらは、本来は自由選択であるはずなのですが、いずれか一方にしか向かうことが出来ないようになっていて、何時の間にか心や精神が破壊されているとのことです。

 ニートや引き篭もりなど、心の満足を向かうものならば、内観や禅のような精神にも通じるものがあると思うのですが、現実には逃避や自己満足のみで、完全に内面の幸福を求めていくことは不可能で、少しも強い精神力が存在していません。

 また、外の満足を求めていくなら、成功や繁栄の結果的なモノだけではなくて、理想や夢など、物質的な目標以外のものも欲していくことが、心の満足に繋がっていくと思うのですが、まるでエコノミックマシーンのように単に利潤を追求してくだけの会社や組織に世の中が成り下がってしまい、それを中の人間が積極的に動かしていることになっています。

 常識やその場の流れや空気、雰囲気など目先の動きが何よりも重要なことのようになっていて、それ以外の価値感や考えは大抵の人は、受け付けもしません。

 そのことは、人間関係、特に、恋愛や男女の愛情にも深く関係していって、女性に対しては、体や性の部分だけで気持ちや心を動かしていく男性が多くなっていますし、逆に女性は地位や財産などで気持ちや心が動かされる存在(タレント)を面白がって、マスコミなどにも取り上げるようになっていますが、そういう方も世の中には多いのかもしれません。

 大阪の或る芸人が、日本人は、殆どが欝かノイローゼと言っていましたが、それは三島が言った、自由な精神が壊された結果そうなったかもしれませんが、当時三島が割腹したときに誰もがノイローゼと言ったのですが、果たしてどちらかが精神的に病んでいるのかは言うまでもないように思います。

 僕自身の周りもそうですが、そういった自由な精神を取り戻すきっかけをつくるのは、女性の強い情念のみであるように思います。男の感情などあてにもありませんし、まして情念などというものは抱くことさえありません。

 昔からそうですが、男女の関係を形づくるものはその女性の情念から始まるのであって、男性の気持ちや意見を聞いてから始まる人間関係など、深さもなく脆いものが多いようです。

 何かをつくりあげることも、打算や妥協だけでは感動的なものなど何も生まれないような気がします。幸福に結ぶつくマニアックな情念だけが、新しい価値や人間関係をつくりだすことが出来ると思います。

 病的な世の中の中で言葉や約束事などはあてにはなりません。何時までも続く強い情念こそがまず必要です。
by fenice2 | 2008-03-05 00:51 | 愛 愛情
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