先日、故人の方の香りをつくって欲しいというご依頼があり、ご一緒におつくりしました。以前から時々は、ご葬儀などの時にローズや、ラベンダーなどの香りをつくることはありましたが、改めて依頼されることは、それほど無かったような気がします。 故人の香りをつくるといっても、イメージからつくっていくので普段のつくり方とそれほど違うところはありませんが、色々な思い出と重なってしまうのか、時々涙されてしまうことが印象的でした。 思えば、今までにも香りをきいてかなり感傷的になられる方がいましたが、誰か故人の方の香りが記憶などに関係してそうなっておられたのだろうと思います。 今現在生きている我々は、やはり好みや欲求の中にも、そういう過去からのものが流れていて、それが色々な形で影響しているのかもしれません。 バニラの香りで、とても甘いものが男の癖に好きだったよねというと、何故か僕まで感傷的になったりしました。 香りが出来上がると、皆さんでそれを確かめましたが、何故か笑っている故人を思い出すと言われると、その香りからくるメッセージをお伝えしました。ホッとする方や、少し晴れやかな顔になる方など色々な表情がありましたが、たとえ香りとはいえ、そこに故人をあらわす存在感のようなものがあったように思っています。 僕も以前、仕事上で行き詰まりを感じたときに、亡き父の香りを思い出しながらつくりましたが、思ったよりも好印象で驚きましたが、それ以上にその香りが僕自身を元気付け、励ましてくれたことをよく覚えています。 日頃常に触れていなくてはならない香りとはいいませんが、やはり身近な方の存在は死というもので、簡単に忘れていってはならないのだろうという思いが今回、おつくりしていて強く感じました。 霊というと、その存在が特殊な世界観のものですが、香りで故人を甦らすとなんとも心地よいものが残るということもよく解りました。こういう仕事は今後は、今のような時代だからこそやっていかなくてはならないと思っています。 香りには、エジプト時代の女神イシスの頃から、死者を甦らすことが出来るものとして扱われてきましたが、成る程そういうような意味合いもあるのかもしれないと思ったりしました。 しっかりとした意味のある仕事として、今後は香りつくりのジャンルに加えていきたいと思っています。
by fenice2
| 2008-04-27 20:31
| 調香・錬金術
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