この季節になると、大体霊山の近くに行って山篭りのような真似事をします。以前は、車で何も持たずに目的地まで行って、只草の上で寝て何日も過ごしたこともあります。 あまり、低い場所では虫も多いのですが、数百メートルの上では野生の動物は居ますが、それほど眠れなくなるような出来事に出会うことは少ないです。 自然の触れ方は色々あると思いますが、僕はともかく山深いところで単に横たわって過ごすのが好きです。木々は、日が落ちると二酸化炭素を発するせいで、夜中になるほど重苦しい空気にまりますが、そのことが人に幻覚を起こすことがあるのかもしれません。 学生の時に、京都の山中で一人で山小屋に何週間と泊まりましたが、地元の人の言う天狗や山の神のような存在を何度も感じ取ったことがあります。 高野山もそうですが、霊山といわれるところは大体古代から手付かずの自然が残っていることが多く、そういう点では植林だらけになった見せ掛けの山深さとは全く違うものがあります。 盛夏では特に木々の匂いや香りが入り混じって、独特の雰囲気を醸し出します。僕は、火も焚かなければ、必要以外はランプもつけないので、時々空を飛ぶ夜行性の動物の目がとても大きく映ることもあって、驚くこともあります。 人間がどうして、屋根のあるものをつくるようにしたり、その延長で電気やガスが充実した都市に住むようになったのかは、基本的な自然に対する恐怖があったからだと思います。自然を愛するという人達の登山客の過ごし方も僕のような、意味のない過ごし方はしません。 自然に対して、そうやって心を開いていくうちにどうしようもない恐怖感を感じてきます。今でこそかなり性根が座ってきましたが、若い頃などは夜通し震えて寝ることができなかったこともあります。 山の魔性は、人が生きていくことそのものに恐怖を与えていきます。そのことは逆にいえば、我々が自然を脅かしている生活をしているからこそ、そう感じるのかもしれません。 高原の近くででは、ロッジつくりのコテージがあって、その中では都市生活と何ら変わらない暮らしをして、それで殆ど何も感じないで、また元の生活に戻っていきます。 自然は、実は何時もそのもっとも深い部分を開いているのに、人間のほうが何処かで都合よくそれを制限してしまって、まるで自然ととてもフレンドリーで付き合うことが出来るような感覚を抱く人も多いと思いますが、それは単なる片思いに過ぎないのかもしれません。 人を死に追いやるのに等しい虫や動物、そういう細菌類も含めて自然は、まだまだ多くの魔性の部分も持っています。 自然破壊をついついしてしまうのは、地球上のあらゆる部分で人が真っ裸で過ごせる地域が限られている現状をみてもよくわかると思いますが、それほど自然の恐ろしさが身にしみているからなのかもしれません。 アマゾンから遠く離れた、都市生活者が自然の保護の運動を行い、台風が来るたびに家を流されたり、身内を失ってしまう人は、そういう自然の姿そのものを保護などという感覚ではとらえることが出来ないだろうと思います。 しかし、占星術で地球が水瓶の時代に入り、愛に目覚め、優しくなっていくといううとおり、地球や自然も次第に進化していっているので、これから何百年後には、獰猛な動物やサメなどの海の生き物も少なくなっていくのだろうと思います。 それぞれが、自己の生命のエゴのために、互いを滅ぼしていた時代も終わり、それぞれが生かし合うような自然も仕組みがもっと出来上がってくるのかもしれません。自然=厳しくて弱肉強食なんていわれる時代もなくなってくるときもあると思います。 今回、オリンピック開催中でも、戦争が起こっていますが、それでも日本もかつて経験したような世界大戦のようにはなっていかないだろうと思っています。人間も社会も色々回り道をしながら、少しづつ進化はしていったように思います。 金メダルだけが存在価値があるのではなく、金がむしろ銀や銅を生かすことになるそういう見方や判断をする人が多くなった時に、やはり内面的な進化が起こったのかもしれません。 そういう意味では、今回の中国での多くの人の感覚をみてもまだまだでしょうが、少しづつですが、違った見方をする人も出てきているような気がします。 どれほど、色々なことがあっても、人も地球も自然も木が生長するスピードで進化していっています。
by fenice2
| 2008-08-16 02:40
| 愛 愛情
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