カテゴリ:妖精と香り( 2 )

香りでみる不思議な心の時間と世界

 前回からの続きですが、調香にはまだまだ素晴らしい可能性があって、今回新たに香料を変えたことによって、また新しい世界が広がりつつあるのを感じます。

 これだけ垢にまみれた社会で、自分の心を澄ましていくには、単に座禅したり言葉を重ねただけでは満たされることはないと思います。同じ瞑想するのも、心地よい自然の中でするのと、喧騒の都会の真ん中でするのは全く違う効果が出てしまうのではないでしょうか。

 貴重ですが、良い香料を使うようになって、今までに見えにくかった心の世界や背景が見えてきたような気がしています。それは、今までにも感じていたのですが、やはり我々の心や魂は、先ほどの妖精ではないですが、常に救いの世界に生かされているということを感じます。

 現実の世界の延長では、心の世界にも何時しか悪魔や堕天使、そのほかの魔物を入れ込んでしまっています。それらは、人によって形を変え、中東のシリアには何千もの悪魔の名前があるのですが、それぐらい多くの悪鬼を心から産物しています。

 それら偽者の世界を作り出すことで、本来の心の周りの背景やつながりを見えにくくさせているのかもしれません。妖精を単なる人の空想の産物というなら、悪魔も空想の産物を断言しなければなりませんが、そういいきれる人がどれくらいいるでしょうか。

 古代人や、鋭い感性を持っていた過去の人が、空想としか思えない生き物を、後世に残すように時には、壁画に描いてみたり、時には文献で、時には口述で伝えてきたのはどういう真意があったのでしょうか。

 生まれたことを喜び、生きていることに喜びを感じ、死してもなお天国を目指す、そういう一生が人の本来の生き方ではないかと、随分前から感じていましたが、最近心が荒んだ人や落ち込んだ人を相手にお話をしていても、特に強く感じます。

 社会の仕組みは、競争で誰かを蹴落とし、誰かを不幸にすることで幸福になっていますが、認めたくありませんが、僕自身もその中で生きている以上、それらの幾つかの部分は受け入れざるえません。しかし、心の世界はそれらとは、全く関係の無い価値や仕組みで存在していることを、常に感じていなくてはならないと思います。

 単に人の気まぐれと欲望で作り出した世界と、心という途方もない時代の流れから作り出した世界では、その深さや意味合いも全く比べようもないものがあるような気がしています。

 心を取り戻すというのは、そういった本来あるべき世界のほんのわずかな部分に触れるだけでもよいような気もします。心はどこかにずっとつながっていて、そして自分もはっきり感じることが出来るし、感じさせてくれる何か大きなものがあります。

 そういう意味では、心は本体個人の所有物ではなくて、預かっているものではないでしょうか。魂も同じことだと思います。

 心を過小評価して、些細なものとした人は、そういった人生を描くことになるかもしれません。心を広大に描くことによって、王様のような生活が出来るとは思いませんが、少なくとも本来の心の世界からは遠ざかることはないように思います。

 来年は、世の仕組みが益々崩壊し、心のより所を見失ってしまう人が多くなると思います。本来の心の在り方や、そういった世界に様々な方法で、触れていくことが大切になってきます。

 

 



 
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by fenice2 | 2009-12-27 12:28 | 妖精と香り

妖精の世界ー香りで解く隠された秘密

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 妖精と香りとは、昔からとても深い関係があるらしく、調香師などの中では良い香りが出来ると妖精が飛んできているのがみえると言った人もいます。

 香りに触れていますと、僕自身もふと今そういう世界に触れているのではないかと感じることがあります。蝶が芳しく花に群れるように、良い香りには何故かそういう世界に通じる道が出来てくるのかもしれません。

 香りのレッスンをしている間にも、たびたびそういう不思議な世界の話題になります。妖精の世界は、なかなか目に見えない世界ですが、感じる世界では確かにあるものだと思っています。

 先日もある香りをつくっていて、ふと迷いが生じた時があります。ある方の香りをつくっていて、急に闇に誘われたようなイメージになっていきました。苦労を重ね、自分の人生の中でなかなか楽しみを見出せなかった人の香りをつくるのは、よい香りの記憶が乏しい分、香りを選んでいくのは難しいものです。

 感覚の世界は、心が明るい人生を過ごしてきた人と、心を暗くして暮らしてきた人のものでは、自ずと違うものです。心を閉ざし、大きな壁を人の間に作ってきた人の感覚は、やはり何処か歪んでいて、感じる世界も小さく縮こまっています。

 自分で頑固に、思い込み何でも自分で決定しようとしますが、その割にはその結果については何時も自信をもてないようです。

 そして、次第に孤独になり心から話を出来る人も居なくなってきます。そのままいけば、最悪の結末になることも多いかもしれません。

 香りは希望の世界の産物であって、本来絶望や闇を表すものではないです。アロマが流行るようになって、癒しの世界では、心の闇に触れるものが多くなりましたが、元々チープな香料で大きな精神的な成果を期待させるような一部の産業が生んだ弊害です。

 心が折れて、大きな絶望を感じてしまった人に、野草の匂いを放香させても何もなりません。魔術師が、毒のあるものを組み合わせて、悪魔祓いの薬をつくったように、調香で良い香料を組み合わせて心を救う香りを目指していくしかないのかもしれません。

 尚も、カウンセリングは続き、一通り苦労を話を聞いた後で僕は、幾つかの香料を選び、香りを聞いてもらいました。僕自身、何か困ったときに何時も組み合わせるもので、自分の中ではフェアリーの組み合わせとか、天使の調香とか呼んでいます。

 何時も思うのですが、人が本当に絶望した時は、その心の様子をみて近づいた存在がいます。目には見えませんし、およそこの世のものではないかもしれません。その感じ方は人によって違いますし、例え感じてもそのまま悪い方にむかって進んでいってしまうこともあるようです。

 フェアリーの調香は、その方の頑なな心を同時に和らげていったように思います。本当に誰も助けてくれないと絶望していたときでも、感じる世界、感性の世界では実はなんとか救おうと働きかけていたものがあります。それが妖精なのかもしれませんし、そうでないのかもしれません。

 しかし、”絶望してはいけないよ”と話しかけている不思議な存在は、香りによって記憶から蘇ってくるのは事実でした。これは、僕が、今までに多くの人の香りを作って感じることです。

 人によって、その妖精の佇まいは違います。小さな蝶のような感じのものもありますし、実際に小さな小人のようなイメージを残している人もいます。

 妖精は、小さく囁き、心配そうに何度もその人の周りを飛び続けます。時には悪魔のようなものもいて、その妖精を振り払おうとするかもしれません。それでも確かに、小さな体ながら一心に囁き続けている美しい存在がいます。

 どれだけ時間が経ってもよいと思います。ある時ふとそのことに気づくと、今まで傷ついたり暗く思っていた心が急に軽くなってくるときがあると思います。そういう意味からも、香りで表現する妖精は、とても大切なことではないかと思っています。

 

 
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by fenice2 | 2009-12-27 00:56 | 妖精と香り