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大原の里からー身近な自然の触れ合い

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 世の中本当に大変なことが色々起こっていますが、そのことに関心を持ったり、気になったりすることは仕方がないことだと思うのですが、それよりも今の時代は、もっと自然に近づいていくべきではないかと思ったりします。

 精神をみていくのも、心理をみていくのもよいことですが、自然というもっとも基本的なベースを失っていって、何処に基準を置くことが出来るでしょうか。調香の技術も、少し前のフランスの調香師などは、必ず自分の創作場所を、南フランスの閑静な場所を選んだものでしたが、最近はパリやNYなど都会に移ってしまう人が多くなったようです。

 僕にとって、自然の香り、自然の中の匂いこそが何よりものお手本ですが、独自のセンスや感覚もよいのですが、あまりそこから離れていってしまうものになれば、香りそのものの基本が失ってしまうような気がしてなりません。

 心も魂も今の時代は、とても強く自然を求めていますし、それも身近な存在であればさらに良いような気もします。普段は喧騒の都会にいて、週末だけは田舎で過ごすというライフスタイルでは、どうもつかみにくいものがあるのではないかと思っています。

 京都も古い町並みや風情或る建物も良いのですが、やはり身近な自然があるということが実はもっとも良いところではないかとも思うようになりました。哲学の道も悪くはないのですが、もっと奥まったところに良さがあるのかもしれません。

 人と人の出会いや、男女の関係もどうも間違った方向に流れているのではないかと感じています。良いイメージや悪いイメージ、そんなものはいかようにも変わってしまいます。人の関係は、そんな簡単なことから出発するものでしょうか。

 どんな人でも、欠点や長所があると思います。人によってはそれが受け入れられない人もいますし、なんとか耐えることが出来る人もいます。恋愛は、夢みたいな時間でとても大切だと思いますが、それもやがては、土に返すように、自然という背景の中で思い返していかなくてはならないのでしょう。

 綺麗な花を観賞する時間も有意義ですが、それを育てるためにはやはり土や空気、水が必要です。

 思いっきり好きになった同士でも、いざ深く付き合おうとするとダメになることは幾らでもあります。反対にそれほどの深い気持ちを最初は抱かなくても、長い時間の中で少しずつ近づいていくことが出来る人もいます。

 自然こそがもっとも、本来の時間を理解させてくれるものがあって、そこで初めて本当の姿が出てくるのではないでしょうか。良いイメージだったものは、やがては自分にとって都合の良い人ではなかったかと思うこともありますし、そこで初めて心からの交流がされていなかったこともよくわかってきます。

 今起こっている事件も、今の時間と基準では判断できることが少ないように思います。そうかといって、時間がたってもわからない人は、ずっとわからないままで過ごしてしまうのかもしれません。

 人は、時間の過ごし方を間違うと、年齢を重ねても物事をわかってくることが少なくなってしまいます。年配者の多くなった今の社会が、必ずしも成熟した社会になっていないのはそのせいではないかと思います。

 自分の生き方や、自分の判断を持たないで過ごしていく時間は、浪費しているのか虚しさを膨らませていくだけなのかもしれません。自分の感覚をまず自然のものに戻して、それから感性を少しづつ育てていくべきだと思います。

 感性が育っていない人に、人の繋がりも心の交流も存在することはないのかもしれません。どれほど心を尽くしても、通じない人には、余程の覚悟や時間が必要になります。

 人を助けたり、助かったようにみえても、こういう問題から離れていては、何もかも幻に終わることがあると思います。
by fenice2 | 2009-05-15 04:28 | 調香・錬金術
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