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妖精の世界ー香りで解く隠された秘密

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 妖精と香りとは、昔からとても深い関係があるらしく、調香師などの中では良い香りが出来ると妖精が飛んできているのがみえると言った人もいます。

 香りに触れていますと、僕自身もふと今そういう世界に触れているのではないかと感じることがあります。蝶が芳しく花に群れるように、良い香りには何故かそういう世界に通じる道が出来てくるのかもしれません。

 香りのレッスンをしている間にも、たびたびそういう不思議な世界の話題になります。妖精の世界は、なかなか目に見えない世界ですが、感じる世界では確かにあるものだと思っています。

 先日もある香りをつくっていて、ふと迷いが生じた時があります。ある方の香りをつくっていて、急に闇に誘われたようなイメージになっていきました。苦労を重ね、自分の人生の中でなかなか楽しみを見出せなかった人の香りをつくるのは、よい香りの記憶が乏しい分、香りを選んでいくのは難しいものです。

 感覚の世界は、心が明るい人生を過ごしてきた人と、心を暗くして暮らしてきた人のものでは、自ずと違うものです。心を閉ざし、大きな壁を人の間に作ってきた人の感覚は、やはり何処か歪んでいて、感じる世界も小さく縮こまっています。

 自分で頑固に、思い込み何でも自分で決定しようとしますが、その割にはその結果については何時も自信をもてないようです。

 そして、次第に孤独になり心から話を出来る人も居なくなってきます。そのままいけば、最悪の結末になることも多いかもしれません。

 香りは希望の世界の産物であって、本来絶望や闇を表すものではないです。アロマが流行るようになって、癒しの世界では、心の闇に触れるものが多くなりましたが、元々チープな香料で大きな精神的な成果を期待させるような一部の産業が生んだ弊害です。

 心が折れて、大きな絶望を感じてしまった人に、野草の匂いを放香させても何もなりません。魔術師が、毒のあるものを組み合わせて、悪魔祓いの薬をつくったように、調香で良い香料を組み合わせて心を救う香りを目指していくしかないのかもしれません。

 尚も、カウンセリングは続き、一通り苦労を話を聞いた後で僕は、幾つかの香料を選び、香りを聞いてもらいました。僕自身、何か困ったときに何時も組み合わせるもので、自分の中ではフェアリーの組み合わせとか、天使の調香とか呼んでいます。

 何時も思うのですが、人が本当に絶望した時は、その心の様子をみて近づいた存在がいます。目には見えませんし、およそこの世のものではないかもしれません。その感じ方は人によって違いますし、例え感じてもそのまま悪い方にむかって進んでいってしまうこともあるようです。

 フェアリーの調香は、その方の頑なな心を同時に和らげていったように思います。本当に誰も助けてくれないと絶望していたときでも、感じる世界、感性の世界では実はなんとか救おうと働きかけていたものがあります。それが妖精なのかもしれませんし、そうでないのかもしれません。

 しかし、”絶望してはいけないよ”と話しかけている不思議な存在は、香りによって記憶から蘇ってくるのは事実でした。これは、僕が、今までに多くの人の香りを作って感じることです。

 人によって、その妖精の佇まいは違います。小さな蝶のような感じのものもありますし、実際に小さな小人のようなイメージを残している人もいます。

 妖精は、小さく囁き、心配そうに何度もその人の周りを飛び続けます。時には悪魔のようなものもいて、その妖精を振り払おうとするかもしれません。それでも確かに、小さな体ながら一心に囁き続けている美しい存在がいます。

 どれだけ時間が経ってもよいと思います。ある時ふとそのことに気づくと、今まで傷ついたり暗く思っていた心が急に軽くなってくるときがあると思います。そういう意味からも、香りで表現する妖精は、とても大切なことではないかと思っています。

 

 
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by fenice2 | 2009-12-27 00:56 | 妖精と香り
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