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心と夢の関係ー夢をかなえることと夢を持つこと

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 夢の宣告と言う題だそうです。なかなか深い意味合いを現しているので面白い絵だと思います。

 僕はこの仕事で、ヨーロッパなど色々な人種と接してきてわかったことですが、やはり日本人がもっとも繊細な感覚を持っているのではないかということです。香水や香りというと、どうしてもフランスなどの調香師を想像してしまいますが、料理などをみても今は、主流が殆どが和食が中心になっていますが、そのうち香りの傾向も和のものになっていくと予測しています。

 繊細な感覚を持っていながら、なかなかそれをうまく使い切れないのは、日本人自身が、その感覚を掴み切れていないのではないかと思っています。

 ファッションやアートみたいなものをみても、フランス人はその組み合わせやセンスには独特のものがありますが、調香の世界でも長い間その地位をリードしてきましたが、そろそろご引退の時期ではないかと感じています。

 しかし、そうかといって日本人は繊細な感覚をもっていながら、こういった組み合わせのセンスといいましょうか大胆さみたいなものは、なかなかうまく表現していくことが出来ません。そこに僕は、心や想像することの欠陥みたいなものがあるのでは感じています。

 魯山人が、ピカソと会ったときにあまり芸術的なセンスを感じなかったといいますが、それも僕は満更はったりだけではなかったように思います。欧米人の多くは、目が良いといいましょうか、視覚のからの文化が始まっていますから、聴覚おろか嗅覚までもそれに大きく影響されてきたと言ってもよいと思います。

 しかし、日本の精神性の真髄には無の世界の体感や禅などの瞑想の世界も、視覚以外の感覚で心や社会をみていく文化や習慣があったように思います。

 あちらの感じるというのが、視覚の驚きにあることに対して、日本人の感じるはもっと内面の奥深さにあるのではないでしょうか。

 僕が、つくる香りの世界はちょうど昔の機織で何枚も生地を重ねて編んでいく、ゆっくりした工程ににているのかもしれません。もしくは、香料を選んでいく作業は、瞑想をして目の前の人が一体何が、合うのかを心眼していることに似ているのかもしれません。

 しかし、そういった深い感動は時には残酷な結果を生みます。それがはっきり伝わる人には、自分の心に大きな変化が訪れますが、そうでない人はそれに乗り切れずに、少し驚いた感情のあとに、深い絶望を抱くことにもなります。

 やっと、本来のテーマに戻りますが、それが自分の本来の心の姿に触れたときの状況に似ているのかもしれません。人は、よく人生に絶望したなどと言いますが、実際には自分の心に触れながらもそれを受け入れることが出来なかったことに、絶望したのではないかと思えます。

 よく夢はかなえるものだという人がいますが、僕はそれは半分あたっているようで、少し違っているのではと思うことが多いです。実は、夢をかなえる事よりも、夢を持っているほうが人生を生きていくことにとっては、もっと大切で有意義なことではないかと考えたりします。

 夢をかなえることが出来たのに、惨めにも虚脱感を感じてしまう人もいれば、なかなか自分の夢が現実化しなくとも、明るく生きて目の前の辛い出来事も乗り越えていく人もいます。

 かなえられた瞬間から夢ではないのですから、それは本当は夢ではなくて、目標ぐらいのものであったのかもしれません。夢というのは、もっと途方もないもので、絶対に一人生だけでは達成できないものが夢とやっと呼べるものだと思います。

 しかし、心は本来はそういった夢をあわせもっているものではないかと思います。それと比べれば世の中の色々な願望など単なる通過地点に過ぎないのだろうと思います。

 途方もないものが夢であり、心であるのかもしれません。それらは切っても切り離せない関係なんだろうと思います。日本人のルーツや文化には、そういうことを気付かしてくれるものが、他の国に比べて幾らでもあるような気がします。

 結果にこだわらずに、自分の想像力を高めていくことです。想像力が高まれば、やがて大きな夢にも触れることがあると思います。そこで、今までに無い新しい価値観が生まれてきます。

 僕は、時々自分は香りの世界のテロリストだろうと考えたりします。従来の価値観を砕いて、新しい技法を生み出す人間は、みんなそのようなものなのかもしれません。
 

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by fenice2 | 2010-02-11 23:50 | 夢 希望
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