まだ新しいHTCのカメラなので慣れていません。なかなかうまく撮れませんね。今日も朝から観葉植物の手入れをしていました。土が少し腐敗していたのか葉の色が悪くなっていました。丁寧に泥を取った後に土をよく干してからまた入れなおしました。 僕は、母の影響もあって子供のころから花々を育てていますが、今までこれといって枯らしたことはないです。先日、あるオフィスで観葉植物を業者に換えてもらっていましたが、自分で枯らしておきながらその原因を突き止めずにまた新たな植物を飼うという心境がよくわかりません。 植物が枯れるということは、その環境に何か問題があるとは考えないのでしょうか。たった1つの命ですが、そうやって疎かにすることが自分に回ってくるとは考えないのでしょうか。その会社の仕事が省エネやエコに関係する場所だったので益々考えこんでしまいました。 昨日の醍醐山の神社に行ったのも、その土に関係しているのですが、僕は山の匂いの中でもどうやら最近は土の匂いにもっとも興味を覚えているような気がします。随分まえからそうだったとは言えないのですが、特にもっとも感じにくい匂いの調香に取り込んでいます。 去年は、厄香(厄年に匂うものを表現しました)、鬼門香(鬼門に匂うとされる香り)などおよそ香りになり難いものを調香しましたが、意外に好評だったので自分でも驚きました。それらは、今考えても土の匂いによく似たものになっていたのではと思っています。 そうやって考えると、日本人のアイデンティティ、いやその民族のアイデンティティは色々な人を調香していて、土の匂いにそのルーツがあるのではと思っています。ヨーロッパ人は石の建物にこだわりますが、そこにもそういった土の匂いが関係しているような気がしています。日本でも昔から土塀でしたね。 花や木々の香りや匂い、それらにも故郷を感じ、癒されることは沢山あると思います。しかし、それらを支え、作り出してきたのは何といってもその土に違いありません。土の匂いをしっかり表現することがこれから香りをつくる上でも重要なウェイトを占めてくるのではと感じています。 皮肉にも、放射能物質が土に降り、再び土が見直されるようになっています。土はそれだけその場所の様々なものを取り入れ、そして吸収していっています。僕も、先日ようやく京都の匂いに辿り着いたような気がして、怖いような嬉しいような気持ちになりました。 調香学でいうと、土の匂いはラストノートですが、それが最近の市販の香水では全く軽んじてものだと言ってもよいです。ラストノートは、それが表に出るまで数時間かかるものもあるために、わかり難く、また白檀や伽羅など高価なものも多いために、香料会社は全くそれに手抜きをしてきました。それがまた僕は、今の時代によく言われるアイデンティティクライシスになったと思っています。 好きな香りから、心地よい香り、それが最近では癒される香りにやっと移行してきました。それが行き着く先は、心から落ち着く香りなっていきます。自分の土の匂いを本気で探していない方は、幾ら僕らが良い調香をしても、いずれは飽きる香りになってしまうかもしれません。
by fenice2
| 2011-05-17 19:16
| アロマ 香り
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